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2009年2月25日 (水)

岡山県のアユモドキ・カワバタモロコの生息地視察

前日の委員会のあとに,岡山に生息している天然記念物になっているアユモドキという淡水魚を研究している阿部さんを訪ねて,視察させてもらいました.
阿部さん,アリガトウ.

アユモドキは,山地から平野に移行する少し流れがあるような景観地域に生息しており,高い接触性(石積みの間隙とか)を要求する魚.そして,氾濫原依存種.
普段は河川にいて,田植え後の増水にアタックし,ほぼ1回しか産卵しないよう.
したがって繁殖成功率が年によってかなり変動する.
保全にはかなり広域的な環境の保全と,その連続性が必要な難しいお魚君.

アユモドキのために,国土交通省の自然再生事業で氾濫原の再生をやっていたり,環境省や農水省の事業で水路内に一時的水域を創出したり,と非常に精力的にやっているとの印象でした.また,テレメトリの技術も教えてもらったし,カワバタモロコの保全に参考になる工法もあったし,非常に魅力的な視察でした.

Photo_2 アユモドキ生息水路.

Photo_3 アユモドキの産卵場の再生事業.

Photo_4 アユモドキ保全工法.ワイヤーアンカー型の空石積み.

カワバタモロコの生息地は,やはり徳島と似ていて土羽水路や空石積み水路が多く,流速がほぼない,止水的環境でした.徳島の違いは,ズバリ「水質と底質」ですね.
まったくヘドロ化していないし,止水的なのに透明度も高いです.
このあたりの比較研究は面白いかもな~.

ただ「ブルータス,お前もか」と思った瞬間.
アユモドキは淡水魚の中でも,アユに似ているドジョウと呼ばれ,愛嬌もある,人気の魚である.何よりも,天然記念物というシンボリックなもので,認知度も高い.
お魚研究者の中では,トキやコウノトリに匹敵する.(←そりゃ言い過ぎか)
一部地域では,町全体で「淡水魚保護宣言の町」として河川での魚類の捕獲を一切禁止しているところもありましたけど,すげーなぁ.

Photo

にもかかわらず,地域の中で保全することに「害魚」として忌み嫌っている人もいるそうだ.(特定の人物や団体を指しているわけではないし,それが悪いという意味ではないので)
正直,アユモドキだったら地域住民と連携した保全の取り組みの参考になるだろうなぁと期待していたところがあったから.
阿部さん曰く,「アユモドキはあと5年,10年は大丈夫.でも50年はもたないだろう」と.
徳島のカワバタ君は・・・
阿部さんの今後の活躍に期待したいと思います.

あと,阿部さんの考える保全に必要なことを聞いてみると,
「行政・地域住民に言い続けること」
「徹底的に生態を調べ上げること」
「アユモドキを愛し,諦めないこと」
深い.
カワバタモロコの保全で,心が折れそうになっていた私にとっては励みになる言葉です.
諦めないことは,グサりときました.

阿部さん,お忙しいところ案内してもらってありがとうございました.

徳島に来たときは,是非研究室にお立ち寄りください!徳島ラーメン食べましょう!

Y.T

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